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【判例解説】性的意図の要否(各論):最高裁平成29年11月29日最高裁大法廷判決 

Point  1.昭和45年判例を変更し、強制わいせつ罪の成立に性的意図の要件は不要とした。    1.事案の概要    被告人は、被害者が13歳未満の女子であることを知りながら、被害者に対し,被告人の陰茎を触らせ、口にくわえさせ、被害者の...
コラム

【コラム】部分社会の法理と出席停止処分(最高裁令和2年11月25日大法廷判決) 

Point  1.市議会による出席停止処分に司法審査が及ばないとした判例を変更。    1.事案の概要    被上告人Xは、平成27年12月に行われた選挙において当選し、本件処分当時、市議会議員でした。Xは、市議会から課された23日間の出席...
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【判例解説】脅迫の意義(各論):最高裁昭和35年3月18日第二小法廷判決 

Point  1.本件事実関係の下では、被告人に脅迫罪が成立する    1.事案の概要     町村合併促進法により、A村はB市かC市に合併しなければならなくなりました。合併に際し、A村内部で強烈な抗争がありました。被告人はこの構想の最中、...
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【判例解説】侵入の意義(各論):最高裁昭和58年4月8日第二小法廷判決 

Point  1.侵入とは、管理権者の意思に反する立ち入りをいう    1.事案の概要     郵便局員である被告人らは、春闘の一環として、A郵便局に多数のビラを貼ろうと企てました。A郵便局のB局長は、ビラ貼りを阻止しようと、夜間にA局舎の...
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信用毀損罪、業務妨害罪とは?わかりやすく解説! 

1.信用毀損罪とは    ・刑法233条 「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」  信用毀損罪は、人の経済的評価を毀損した場合に成立します。名誉...
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【判例解説】建造物の現住性(各論):最高裁平成9年10月21日第二小法廷決定 

Point  1.本件事実関係の下では、本件家屋に現住性を肯定できる    1.事案の概要    被告人は、本件で放火の目的物となった本件家屋及びその敷地を、転売目的で取得しました。これには、風呂、洗面所、トイレ、台所等の設備があり、水道、...
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【判例解説】公共の危険の認識(各論):最高裁昭和60年3月28日第一小法廷判決 

Point  1.110条1項の犯罪の成立には、公共の危険の認識を要しない    1.事案の概要     被告人らは、対立する暴走グループのオートバイを焼損させようと、配下の者にその旨の指示をしました。これを承諾した配下の者数人は、Aの家屋...
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【判例解説】公共の危険(各論):最高裁平成15年4月14日第三小法廷決定 

Point  1.公共の危険は108条、109条1項の建造物等に対する延焼の危険に限られず、不特定又は多数人の生命・身体又は前記建造物等以外の財産に対する危険も含まれる    1.事案の概要    被告人は、長女が通学する小学校の担任所有の...
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現住・非現住建造物等放火罪(刑法108条等)とは?わかりやすく解説! 

放火罪は公共の危険(不特定又は多数人の生命・身体・財産)に対する罪です。例えば、人が住む家に放火した場合、内部の人や近くにいる人の生命・財産を侵害する恐れがあります。これを防止するために、放火は厳しく禁じられています。放火に関する罪はいくつ...
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【判例解説】違法収集証拠排除法則②(証拠):最高裁昭和61年4月25日第二小法廷判決 

Point  1.先に行われた手続が違法の場合、これに引き続き行われた手続が違法と評価されること  がある    1.事案の概要     警察官ら3名は、覚せい剤事犯の前科のある被告人Aが再び覚せい剤を使用しているとの情報を得たため、私服で...
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【判例解説】違法収集証拠排除法則①(証拠):最高裁昭和53年9月7日第一小法廷判決 

Point  1.違法な捜査によって収集された証拠であっても、直ちに証拠能力が肯定されるわけではない  2.令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠として許容することが、将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でない...
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【判例解説】弾劾証拠(証拠):最高裁平成18年11月7日第三小法廷判決 

Point  1.刑事訴訟法328条で証拠能力が肯定される証拠は、自己矛盾供述に限られる。  2.別の機会に異なる供述をしたという事実の立証については、刑訴法の定める厳格な証明を要する    1.事案の概要     被告人は、現住建造物等放...
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違法収集証拠排除法則とは?わかりやすく解説! 

証拠収集の手続きに違法性があった場合、獲得した証拠の証拠能力を否定すべきという議論が起こることは想像できると思います。違法に収集した証拠の証拠能力を否定すべきとする根拠は大きく3つあります。  1つ目は、司法の廉潔性です。捜査機関が違法に収...
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弾劾証拠とは?わかりやすく解説! 

刑事訴訟法328条は、刑事訴訟法321条から324条(伝聞例外)に該当しない証拠であっても、証拠能力が肯定される場合について規定しています(弾劾証拠)。 ・刑事訴訟法328条 「第321条乃至第324条の規定により証拠とすることができない書...
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【判例解説】検面調書の証拠能力(証拠):最高裁平成7年6月20日第三小法廷判決

Point  1.伝聞例外に当たる場合でも、証拠能力が欠けることがあり得る    1.事案の概要     被告人らは、売春防止法違反で逮捕されました。検察官は、被告人らのもとで働かされていたタイ人女性らを取調べ、その供述を録取した調書を作成...
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伝聞例外とは?わかりやすく解説!

刑事訴訟法では、原則として伝聞証拠を証拠とすることはできません(刑訴320条1項)。    ・刑事訴訟法320条1項 「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の...
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非伝聞とは?わかりやすく解説!

伝聞証拠は公判において証拠とすることはできません(刑訴320条1項)。 ・刑事訴訟法320条1項 「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする...
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伝聞証拠(刑訴320条1項)とは?わかりやすく解説! 

刑事訴訟法320条1項は、伝聞法則を定めた規定とされています。  ・刑事訴訟法320条1項 「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を...
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【判例解説】自白の証拠能力②(証拠):最高裁昭和45年11月25日大法廷判決 

Point  1.偽計によって心理的強制を受け、虚偽の自白が誘発されるおそれのある状態での自白は、任意性に疑いがあるため、証拠能力が否定される    1.事案の概要     被告人は、銃刀法違反等の罪で取調べを受けていました。被告人の妻Bは...
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【判例解説】自白の証拠能力①(証拠):最高裁昭和41年7月1日第二小法廷判決 

Point  1.本件における約束による自白は、証拠能力を欠く    1.事案の概要     被告人は、受託収賄の事実で逮捕されました。    被告人に賄賂を贈ったAの弁護人は、本件の担当検察官である検事から、「被告人が見えすいた虚構の弁解...