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信用毀損罪、業務妨害罪とは?わかりやすく解説! 

 

1.信用毀損罪とは 

 

・刑法233条 「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。 

 

信用毀損罪は、人の経済的評価を毀損した場合に成立します。名誉毀損罪とは異なり、適示した事実が真実である場合には、信用毀損罪は成立しません。 

 

*名誉毀損罪の解説はこちら 

 

信用とは、経済面における人の評価を言います。あの人は約束を守らないとか、すぐ嘘をつくといったような人格的側面における人の評価ではありません。信用には、人の支払能力や支払意思だけでなく、商品の品質に対する信頼も含まれます(最判平成15年3月11日刑集57巻3号293頁)。 

 

 虚偽の風説流布とは、真実でない情報を不特定又は多数人に伝播することを指します。 

 

また、毀損とは、人の信用を低下させるおそれのある状態を惹起すること指します。「Yは借金まみれで、これを返済できない」、「Yの店の商品には有毒な成分が含まれている」といった虚偽の風説を流布した場合、信用を毀損したと評価されるでしょう(偽計については後述)。 

 

2.業務妨害罪とは 

 

・刑法234条 「威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。 

 

 業務とは、職業その他の社会生活上の地位に基づいて継続して従事する事務を言います(大判大正10年10月24日刑録27輯643頁)。趣味や家事などは業務にはあたりません。 

 

判例によると、強制力を行使する権力的公務は業務に含まれないとされます(最決昭和62年3月12日刑集41巻2号140号)。したがって、市庁舎や官庁でデスクワークする公務員の事務を妨害した場合、業務妨害罪、公務執行妨害罪が成立しうるのに対し、捜査活動を行なう警察官の事務を妨害した場合には公務執行妨害罪が成立しうることになります。 

 

 保護される業務は適法であることを要しません。そのため、許可を受けずに行っている職業や法律に違反する業務を妨害した場合でも、業務妨害罪が成立する可能性があります。 

 

 同罪が定める妨害手段は、①虚偽の風説の流布②偽計③威力です。 

 

②偽計とは、人を欺き、あるいは人の錯誤又は不知を利用すること、③威力とは、人の自由意思を制圧するに足る勢力をいいます。 

 

 偽計と威力の違いは裁判例上曖昧といわれています。以下で偽計とされたもの、威力とされたものを表で示します。 

 

偽計  威力 
①漁場の海底に障害物を沈めて漁網を破損して漁業活動を困難にした事例(大判大正3年12月3日刑録20輯2322頁)  デパートの食堂の配膳部に縞蛇をまき散らした事例(大判昭和7年10月10日刑集11巻1519頁) 
②デパートに陳列されている寝具に縫い針を差し込んだ事例(大阪地判昭和63年7月21日判時1286号153頁  総会屋が株主総会の議場で怒号した事例(東京地判昭和50年12月26日刑月7巻11=12号984頁) 
③虚偽の通報で海上保安庁職員を出勤させた事例(横浜地判平成14年9月5日判タ1140号280頁  ③机の引き出しに猫の死骸等を入れた事例(最決平成4年11月27日刑集46巻8号623頁) 
④多数回の無言電話をかけ飲食店の業務を妨害した事例(東京高判昭和48年8月7日高刑集26巻3号322頁  ④キャバレーの客席で牛の内臓を焼いて悪臭を放った事例(広島高岡山支判昭和30年12月22日裁特2巻18号1342頁 
電話通話料金の課金に用いる機器の作動を不可能にするマジックホンを電話機に設置した事例(最決昭和59年4月27日刑集38巻6号2584頁  イルカ捕獲網のロープを切断してイルカを逃走させた事例(長崎地佐世保支判昭和55年5月30日判時999号131頁 

 

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