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【判例解説】前科による立証(証拠):最高裁平成24年9月7日第二小法廷判決 

Point  1.前科証拠による事実認定は、一定の場合に許容される    1.事案の概要       平成21年、被告人は、金をとろうと被害者方に侵入し、現金1000円、カップ麺1個を窃取し、被害者宅を放火したとして、窃盗、住居侵入、現住建...
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自白法則とは?わかりやすく解説! 

自白とは、被疑者・被告人による自己の犯罪を認める旨の供述を言います。例えば、警察官による取調べに対し「被害者を殺したのは自分だ」と告げる行為は、典型的な自白にあたります。  自白については憲法、刑事訴訟法に規定があります。文言に差異はありま...
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証拠能力・証明力とは?わかりやすく解説! 

1.証拠能力とは    裁判では、証拠から事実認定をして被告人が犯罪を犯したか否かを判断します。そのため、裁判では証拠が非常に重要な役割を果たします。もっとも、証拠の全てが裁判において使用できるというわけではなく、証拠の中でも適切なものだけ...
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証拠とは?わかりやすく解説! 

刑事裁判では、犯罪が行われたか否かを裁判所が判断します。しかし、裁判所は現場で犯行を実際に見ていたわけではありません。そのため、本当に犯罪が行われたか、そして被告人がその犯罪を行ったか否かを、事後的に認定しなければなりません。その認定の資料...
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【判例解説】訴因変更の要否②(公訴の提起):最高裁平成24年2月29日第二小法廷決

Point  1.本件事実認定は、被告人に不意打ちを与えるものであるから違法である。    1.事案の概要    本件公訴事実は、以下のようなものです。    「被告人は,借金苦等からガス自殺をしようとし て,平成20年12月27日午後6時...
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保釈とは(刑訴88条等)?わかりやすく解説!

テレビやネットで「~容疑者が保釈されました」という内容のニュースを見たことがあると思います。保釈は、被告人を身体拘束から解放する制度なのですが、この内容についてはあまり説明されていないと思われます。そこで、ここでは保釈について解説します。 ...
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【判例解説】訴因の特定②(公訴の提起):最高裁平成26年3月17日第一小法廷決定

Point  1.本件訴因は、他の犯罪事実との区別が可能で、いかなる犯罪の構成要件に該当するかどうかを判定するに足りる程度に具体的に明らかにされているため、訴因の特定に欠けることはない。    1.事案の概要    被告人は傷害罪等多数の訴...
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[解説] 訴因の設定(公訴の提起):最高裁平成15年4月23日大法廷判決 

Point  1.先行する抵当権設定行為に横領罪が成立する場合、後行する所有権移転行為に横領罪が成立するか  2.1を肯定した場合、後行する所有権移転行為のみを起訴することは許されるか  1.事案の概要    被告人は、以下の訴因で起訴され...
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[解説] 訴因変更の要否①(公訴の提起):最高裁平成13年4月11日第三小法廷決定 

Point  1.訴因変更の要否の判断基準を確立    1.事案の概要   被告人は、殺人その他多数の犯罪を犯したとして起訴されました。本件のうち殺人事件の公訴事実は「被告人は,Aと共謀の上,昭和63年7月24日ころ,青森市a所在の産業廃棄...
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[解説] 訴因の特定①(公訴の提起):最高裁昭和56年4月25日第一小法廷決定 

Point  1.本件公訴事実における訴因は、特定性に欠けることはない  1.事案の概要    被告人は、覚せい剤取締法違反の被疑事実で逮捕・起訴されました。検察官は、「被告人は、法定の除外事由がないのに、昭和54年9月26日ころから同年1...
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公訴時効とは?わかりやすく解説!

犯罪には公訴時効と言うものがあります。時効期間が経過した後に、検察官が公訴を提起した場合、裁判所は免訴の判決をしなければなりません(刑訴337条)。  ・刑事訴訟法337条 「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。」 ・同条4...
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起訴ってなに?条文を見ながらわかりやすく解説!

捜査機関は、場合によっては被疑者を逮捕・勾留するなどして、事件の捜査を行います。これを終えると、検察官は被疑者を起訴するか否かを判断します。起訴とは、刑事事件を犯したと疑われる被疑者を国家による裁判にかけることを言います。    *逮捕につ...
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緊急避難(刑法37条)とは?わかりやすく解説! 

緊急避難(刑37条)は、正当防衛(刑36条)と並び行為の違法性を阻却するものです。緊急避難の制度趣旨について、違法性阻却事由説、責任阻却事由説、二元説で争いがあります。 *正当防衛の説明はこちら ・刑法37条1項 「自己又は他人の生命、身体...
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【判例解説】 防衛の意思(刑法総論):最判昭和50年11月28日

Point  1.攻撃の意思があっただけでは、防衛の意思は否定されない  1.事案の概要     被告人は、友人のAとともに、乗用車で走行中、たまたま花火に興じていたBらのうちの一名を友人と人違いして声を掛けたことから、右Bらに「人違いをし...
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【判例解説】 積極的加害意思(総論):最決昭和52年7月21日

Point  1.防衛行為者が積極的加害意思を有する場合、侵害の急迫性が否定される  1.事案の概要     政治団体に所属するXらは集会のためにホールに集まったところ、対立する政治団体に属するAらから襲撃を受けました。Xらは、木刀、鉄パイ...
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【判例解説】やむを得ずにした行為(刑法総論):最判平成元年11月13日

Point  1.武器を用いて防衛行為を行った被告人に正当防衛の成立を認めた    1.事案の概要  被告人は、運転してきた自動車を空地前の道路に駐車して商談のため近くの薬局に赴きました。まもなく、ダンプカーを運転して同所に来たA(当時39...
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過剰防衛(刑法36条2項)とは?わかりやすく解説! 

1.過剰防衛とは?  相手が急に殴りかかってきた場合に行った実力行使は、正当防衛と評価される余地があります。    *正当防衛についての説明はこちら     もっとも、防衛行為であれば何をやってもいいというわけではありません。防衛行為がやり...
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正当防衛(刑法36条)とは?わかりやすく解説! 

正当防衛については皆さん聞いたことがあると思います。ある行為に正当防衛が成立する場合、その行為の違法性が阻却されます。皆さんご存知のように、正当防衛が成立すれば、たとえ刑法に触れる行為を行っていたとしても、当該行為は無罪となります。  とは...
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【判例解説】不作為犯の因果関係(総論):最決平成元年12月15日

Point  1.不作為犯の因果関係はどのような場合に認められるか    1.事案の概要     被告人は、ホテルで被害者(13歳)の左腕に覚せい剤を含有する水溶液を注射しました。すると、被害者は頭痛・吐き気等の症状を訴え始め、その後錯乱状...
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【判例解説】因果関係②-スキューバダイビング事件(総論):最決平成4年12月17日

Point  1.被告人の過失行為と被害者の死亡との間に因果関係を認めることができるか    1.事案の概要     被告人は、スキューバダイビングの資格認定団体から認定を受けた潜水指導者として、潜水講習の受講生に対する潜水技術の指導業務に...