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【判例解説】一罪一逮捕一勾留の原則と再逮捕・再勾留(捜査):仙台地決昭和49年5月16日 

Point  1.2回目に行われた逮捕・勾留は一罪一逮捕一勾留の原則に反するので違法  2.本件では、再逮捕・再勾留は認められない    1.事案の概要    被疑者は、昭和49年2月18日に賭博被疑事件で逮捕・勾留され、3月7日に賭博開張...
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公判請求・略式命令とは?わかりやすく解説! 

検察官が被疑者を起訴した場合、被疑者は刑事裁判にかけられます。裁判は公開の法廷で行われるのが原則です。このように、検察官が公開の法廷での裁判を請求することを公判請求と言います。    *起訴についての解説はこちら  他方で、一定の事件につい...
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【判例解説】領置の適法性(捜査):東京高判平成30年9月5日 

Point  1. 本件で行われた領置は適法である。    1.事案の概要      被告人は、短期大学に侵入し現金約390万円を窃取したとして起訴されました。    原判決は、被告人の犯人性を認定した証拠として、紙片1片(以下、「本件紙片...
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【判例解説】長時間に及ぶビデオ撮影の適法性(捜査):さいたま地判平成30年5月10日 

【判例解説】長時間に及ぶビデオ撮影の適法性(捜査):さいたま地判平成30年5月10日  Point  1.長時間に及ぶビデオ撮影が違法とされた  2.ビデオ撮影により得た証拠が排除された    1.事案の概要     暴力団員である被告人は...
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【判例解説】自白法則と違法収集証拠排除法則(証拠):東京高判平成14年9月4日

Point  1.自白法則と違法集証拠排除法則の関係    1.事案の概要    被告人は、殺人事件の被疑者として捜査対象となっていました。被害者は、被告人と共に生活していました。    警察官らは、事件現場近くの自動車内で、被告人から簡単...
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【判例解説】現行犯逮捕の適法性①(捜査):東京高判昭和60年4月30日 

Point  1.現行犯逮捕が違法とされた。     1.事案の概要    被告人は、のぞき見の目的で被害者のアパートに侵入したとして現行犯逮捕・起訴されました。現行犯逮捕(以下、「本件現行犯逮捕」。)の流れは以下の通りです。    ①被害...
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【判例解説】将来の犯罪捜査(刑事訴訟法):東京高判昭和63年4月1日判時1278号152頁 

Point  1.将来の犯罪捜査は、一定の要件を充足した場合許される。    1.事案の概要     被告人は、昭和61年午前8時ころ、路上に駐車してあった車の右側サイドミラーをもぎとったとして、器物損壊罪で起訴されました。本件犯行は、通り...
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【判例解説】令状の事前呈示と必要な処分(捜査):最決平成14年10月4日 

Point  1.本件では、警察官らが令状の呈示に先立って、ホテルに入室した措置は適法である。    1.事案の概要    警察官らは被疑者に対する覚せい剤取締法違反被疑事件につき、被疑者が宿泊しているホテル客室に対する捜索差押許可状を執行...
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【判例解説】差押物の概括的記載(捜査):最大昭和33年7月29日    

Point  1.罪名を記載するにあたっては、適用法条まで示す必要はない  2.「本件に関係ありと思料せられる一切の文書及び物件」との記載は、許される場合がある  (関連条文)  ・憲法35条1項 「何人も、その住居、書類及び所持品について...
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【判例解説】捜索・差押えの範囲-間接証拠等(捜査):最判昭和51年11月18日 

Point  1.恐喝被疑事件における捜索差押えで、令状に記載された、別件の賭博被疑事件の証拠ともなり得る証拠の差押えは許される    1.事案の概要    捜査機関は、恐喝被疑事件につき、裁判所に対し捜索差押許可状の発付を請求しました。裁...
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【判例解説】職務質問と立ち入り:(最高裁平成15年5月26日第1小法廷決定) 

Point  1.職務質問に付随する行為として、ホテル客室内に立ち入る行為が許される場合がある。    1.事案の概要     被告人は、8月11日の午後1時すぎ、ラブホテルAの301号室に一人で投宿しました。チェックアウト予定は12日の午...
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【判例解説】逮捕の違法と勾留の違法(捜査):東京高判昭和54年8月14日 

Point  1.本件では、被告人の駐在所から警察署への同行は、実質的逮捕に当たる。  2.逮捕に重大な違法がないため、その後に行われた勾留は違法とならない。    1.事案の概要    昭和53年7月14日午後3時24分ころ、長野県飯山市...
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背任罪(刑法247条)とは?わかりやすく解説! 

背任罪と聞くと、よくテレビなどで聞く特別背任罪を思い浮かべる方が多いと思います。背任罪は刑法典に定められていますが、特別背任罪は会社法960条以下に定められている背任罪の加重類型です。ここでは、刑法典にある背任罪について解説します。  ・刑...
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横領罪(刑法252条)とは?わかりやすく解説! 

窃盗罪は、他人が占有する財物を窃取した場合に成立する犯罪でした。    *窃盗罪の解説はこちら     他方で、自分が占有する他人の財物を不法に領得した場合には、横領罪が成立します。    横領の罪といわれる犯罪には、以下の3種類があります...
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恐喝罪(刑法249条)とは?わかりやすく解説!   

恐喝という言葉はみなさんご存じだと思います。恐喝罪は、他人を恐喝して財物を交付させた、又は財産上の利益を得た場合に成立します(刑法249条)。同罪は未遂も処罰されます(刑法250条)。恐喝罪は詐欺罪と同じく、瑕疵ある意思に基づいて財産等を得...
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【判例解説】違法性の錯誤(総論):最高裁昭和62年7月16日第一小法廷決定

Point  1.本件事実関係の下では、被告人が違法性の意識を欠いていたとしても、それにつき相当の理由がある場合に当たらない。    1.事案の概要    被告人は、自己の経営する飲食店の宣伝のため、写真製版所に依頼し、まず、表面は、写真製...
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詐欺罪(刑246条)とは?わかりやすく解説! 

詐欺罪は、窃盗罪や強盗罪と同じく財産犯の1つです。 詐欺罪は、意思(瑕疵はあるが)に基づいて財物の占有が移転している点に特徴があります。窃盗罪や強盗罪は、被害者の意思に反して財物の占有を奪う犯罪なのですが、詐欺罪は、一応は自らの意思で財物を...
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【判例解説】財産上の損害①(各論):最高裁昭和34年9月28日第二小法廷決定 

Point  1.被害者の経済的損失が軽微であっても、詐欺罪は成立しうる。    1.事案の概要         被告人は、市販されている普通の電気按摩器(ドル・バイブレーター)を、疾病に効く入手困難な特殊治療器であるかのように装い、これを...
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【判例解説】早すぎた構成要件の実現-クロロホルム事件(総論):最高裁平成16年3月22日第一小法廷決定 

Point  第1行為は第2行為に密接な行為であり、第1行為の時点で殺人に至る客観的な危険性が明らかに認められるから、その時点で殺人罪の実行の着手が認められる。  認識と異なり、被害者が第2行為の前の時点で第1行為により死亡していたとしても...