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背任罪(刑法247条)とは?わかりやすく解説! 

 

 背任罪と聞くと、よくテレビなどで聞く特別背任罪を思い浮かべる方が多いと思います。背任罪は刑法典に定められていますが、特別背任罪は会社法960条以下に定められている背任罪の加重類型です。ここでは、刑法典にある背任罪について解説します。 

 

・刑法247条 「他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」  

・刑法250条 「この章の罪の未遂は、罰する。」 

 

1.背任罪の要件 

 

 背任罪の主体は、他人のためにその事務を処理する者です。会社の職員やアルバイトは、会社のための事務処理者となるので、本罪の主体となります。他方で、売買契約で物を引渡すべき債務を負っているものは、「他人のため」の要件を充たしません。債務の履行は自己の事務と解されているためです(「他人のため」の事務と解すると、債務不履行をした者は全て背任罪の主体となってしまう。)。 

 

 背任罪の実行行為は、その任務に背く行為(任務違背行為)です。任務とは、事務処理者として当然行うべきものと期待される行為をいいます。不正融資や粉飾決算などがよく任務違背行為の例としてよく挙げられます。 

 

 背任罪の成立には、任務違背行為の結果、財産上の損害が発生したことが必要です。財産上の損害は、窃盗罪や詐欺罪のような個別財産の被害ではなく、全体財産の被害を意味します。 

 

例えば詐欺罪は、適切な対価が支払われている場合でも成立しうると考えられています。これは、詐欺罪が個別財産に対する罪であるためです。 

 

他方で、銀行員Xが任務違背行為をして1000万円を貸し付け、これが回収不能になったとしても、適当な担保を設定し担保権の実行により回収ができた場合、全体財産の損害はないため背任罪は成立しません(未遂となりうるに過ぎない)。 

  

*窃盗罪の解説はこちら 

*詐欺罪の解説はこちら 

 

 犯罪の成立には故意が必要ですが、背任罪においては、故意の他に自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的(図利加害目的)が必要です。 

 

2.横領罪との関係  

 

*横領罪の解説はこちら 

 

 例えば、会社で金銭を管理する従業員が、その金銭を勝手に処分した場合、背任罪のほかに横領罪の成否も問題になります。この点、現在では、横領罪の成否を先に検討し、横領罪が成立しない場合に、背任罪の成否を検討すればいいと解されています。 

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