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【判例解説】自首の成否①(刑法総論):最判昭和60年2月8日

Point  1.虚偽の事実を申告した場合でも、自首は成立し得る    1.事案の概要      被告人は、無免許運転中に自動車を海に転落させる事故を起こし、その際同乗者を負傷させました。警察官の取調べに際し被告人は、同乗者はいないと嘘をつ...
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【判例解説】犯罪により害を被った者の解釈(捜査):最判昭和45年12月22日 

Point  1.器物損壊罪の告訴権者は、被害物品の所有権者に限られない。    (関連条文)   ・刑法261条・・・前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する...
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【判例解説】告訴期間の起算点(捜査):大阪高判平成16年4月22日 

Point  1.インターネット上で行われた名誉毀損罪について、告訴期間の起算点が、名誉を毀損する書き込みが行われた時点より遅い時点となるとされた事例    1.事案の概要     被告人は、名誉を毀損する書き込みをホームページ上に行いまし...
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【判例解説】「捜査機関に発覚する前」の解釈(刑法総論):最判昭和24年5月14日 

Point  1.犯罪が発覚していても犯人が判明しない場合は、「捜査機関に発覚する前」に該当する。    (関連条文)   ・刑法42条1項 「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。」    【争...
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【判例解説】訴因変更の要否③(公訴の提起):最判昭和46年6月22日 

Point  1.訴因変更をせずに異なる過失態様の事実を認定したことが違法とされた事例    1.事案の概要     被告人は業務上過失致傷罪で起訴されました。起訴状の公訴事実には、「一時停止中前車の先行車の発進するのを見て自車も発進しよう...
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【判例解説】罰条変更の要否(公訴の提起):最判昭和53年2月16日 

Point  1.訴因により公訴事実が十分に明確にされていて被告人の防禦に実質的な不利益が生じない限りは、罰条変更せずに、起訴状に記載されていない罰条を適用することができる。    1.事案の概要    被告人はXらと共謀のうえ、被害者らに...
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【判例解説】訴因の特定④(公訴の提起):東京高判平成20年9月25日 

Point  1.本件訴因は、犯行日時、犯行場所が概括的で、犯行態様が不詳となっているが、本件事情の下では、訴因の特定に欠けるところはない    1.事案の概要    被告人は、平成18年「11月25日午前3時30分ころから同日午前9時30...
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【判例解説】訴因の特定③(公訴の提起):最決平成14年7月18日 

Point  1.本件訴因は暴行態様、傷害の内容、死因等の表示が概括的なものであるが、本件の事情の下では、訴因の特定に欠けるところはない    1.事案の概要    検察官は、傷害致死事件につき、「被告人は,単独又はA及びBと共謀の上,平成...
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【判例解説】接見設備がない場所での接見(捜査):最判平成17年4月19日

Point  1.被疑者の逃亡や罪証の隠滅を防止することができ、戒護上の支障が生じないような設備のある部屋等が存在しない場合には、接見の申出を拒否したとしても違法ということはできない  2.上記の設備のある部屋等が存在しないことを理由として...
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【判例解説】逮捕に伴う捜索・差押え②(捜査):札幌高判昭和58年12月26日 

Point  1.逮捕に伴う捜索差押えが違法とされた。    1.事案の概要    警察官らは、暴行事件の捜査で、被告人に対する逮捕状の発付を受け、被告人宅に赴きました。そして、令状に基づき居室内で被告人を逮捕し、逮捕に伴う捜索差押えとして...
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【判例解説】逮捕する場合(捜査):最大判昭和36年6月7日 

Point  1.「逮捕する場合」とは単なる時点よりも幅のある逮捕する際をいい、逮捕着手の前後関係を問わない    1.事案の概要     麻薬取締官4名は、昭和30年10月11日午後8時30分頃、路上において麻薬を所持していた者を現行犯逮...
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判決・決定・命令とは?わかりやすく解説! 

裁判とは裁判所が行う意思表示です。裁判によって、被告人の有罪・無罪判決が出されたり、証拠の採用が決定したりします。    裁判機関が行う裁判には、判決、決定、命令があります。これらは微妙に意味が異なります。     判決は裁判所によって行わ...
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公判期日(裁判)の流れとは?わかりやすく解説! 

公判手続とは、公判期日における審判手続をいいます。公判期日は、公開の法廷で開かれます。被疑者を起訴すると、第1回公判期日が指定されます。被疑者は、その期日に、裁判所に出頭して裁判を受けることになります。事件によっては、公判期日は1回で終わら...
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【判例解説】起訴後の取調べの適法性(捜査):最判昭和36年11月21日 

Point  1.起訴後も被告人を取調べることは許される  (関連条文)  ・刑事訴訟法197条1項 「捜査については、その目的を達するため必要な取調をすることができる。但し、強制の処分は、この法律に特別の定のある場合でなければ、これをする...
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再逮捕・再勾留とは?わかりやすく解説!

1.再逮捕・再勾留とは?     再逮捕・再勾留とは、一度逮捕・勾留した被疑者について、同一の被疑事実を理由とする逮捕・勾留を行うことをいいます。例えば、Aさんに対する殺人罪で逮捕・勾留された被疑者を、釈放した後に再び、Aさんに対する殺人罪...
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事件単位の原則とは?わかりやすく解説!

1.事件単位の原則とは?   事件単位の原則とは、逮捕・勾留の効力は事件ごとに生ずるといった原則です。かつては、逮捕・勾留は人について生じるという人単位説という見解もありました。しかし、現行法における逮捕・勾留は被疑事実を基礎として行われて...
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一罪一逮捕一勾留の原則とは?わかりやすく解説! 

1.一罪一逮捕一勾留の原則とは? 一罪一逮捕一勾留の原則とは、1つの犯罪につき逮捕・勾留は1回しか許されないとする原則です。刑事訴訟法にこの原則を規定した条文はありません。しかし、一罪について国家の刑罰権は1個であり、この実現のための手続も...
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【判例解説】現行犯逮捕の適法性②(捜査):東京高判平成17年11月16日 

Point  1.現行犯逮捕が適法とされた    1.事案の概要    被告人は、平成16年9月22日午後7時53分ころから午後7時56分ころまでの間、電車内で、被害者に強制わいせつ行為をしました。(第1行為)。その後、午後8時1分ころ、下...
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【判例解説】再逮捕・再勾留の許容性(捜査):東京地決昭和47年4月4日 

Point  1.再逮捕・再勾留が認められるとされた。    1.事案の概要  被疑者は、昭和47年1月9日から5件の爆発物取締罰則違反の被疑事実で勾留され、1月28日に釈放されました。その後、昭和47年4月3日に、その5件のうちの1件を被...
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【判例解説】停止行為に伴う有形力の行使の適法性(捜査):東京高判平成28年4月15日 

Point  1.被告人に対する有形力の行使は適法か  2.1の後に行われた採尿手続は適法か  3.2により獲得した尿の鑑定書は証拠として使用できるか    1.事案の概要     被告人は、平成27年3月下旬から4月13日までの間に、覚せ...