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職務質問と所持品検査についてわかりやすく解説!

Last Updated on 2020年10月16日

 この記事をご覧になっている方の中に、職務質問を受けた経験がある方は多くいらっしゃると思います。職務質問は、刑事訴訟法を学ぶ上で重要なものです。それだけでなく、日常生活においても私たちと密接に関わるものです。 

 ここでは、職務質問について解説します。また、職務質問と密接にかかわる所持品検査についても共に解説します。 

1.職務質問とは 

 警察官は職務質問を行うことができます。 

 
・警察官職務執行法2条1項 :「警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を停止させて質問することができる。」 

 

例えば、「今何しているのか?」「これから何しに行くのか?」「その自転車は自分の物か?」などを聞かれることになります。職務質問に際しては、警察官は、対象者に停止を求めたり、交番などに同行することを求めたりすることができます。 

 
・同法2条2項 :「その場で前項の質問をすることが本人に対して不利であり、又は交通の妨害になると認められる場合においては、質問するため、その者に附近の警察署、派出所又は駐在所に同行することを求めることができる。」 

 

もっとも、これらを強制することは出来ません。 

 

・同法2条3項 :「前二項に規定する者は、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。」 

 

このように、職務質問はあくまでも相手方の任意でのみ許されるのであり、これに応じたくないと考える者が、職務質問を無視してその場を立ち去ることは違法でも犯罪でもありません。 

 

しかし、職務質問は、犯罪が起きた場合の捜査だけでなく、犯罪の予防も目的とするため、対象者を一定程度引き止め、質問に答えるよう説得する行為は許されると解されています。また、場合によっては軽度の有形力の行使等が認められる場合もあります。 

 

2.所持品検査とは 

 所持品検査は、その名の通り、対象者の所持する物を検査することです。逮捕されている者や(警職法2条4項)、ナイフや銃を持っていると疑われる者に対しての所持品検査(銃刀法24条の2)に関しては明文で認められています。 

・警察官職務執行法2条4項 :「警察官は、刑事訴訟に関する法律により逮捕されている者については、その身体について凶器を所持しているかどうかを調べることができる」
 
・銃砲刀剣類所持等取締法24条の2 :「警察官は、銃砲刀剣類等を携帯し、又は運搬していると疑うに足りる相当な理由のある者が、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して他人の生命又は身体に危害を及ぼすおそれがあると認められる場合においては、銃砲刀剣類等であると疑われる物を提示させ、又はそれが隠されていると疑われる物を開示させて調べることができる。」

 

他方、職務質問に際する所持品検査について定めた規定は存在しません。そうすると、上記以外の場合における所持品検査は許されないのでしょうか? 

 

 この点について、まず、相手方が任意に応じた場合、所持品検査を行うことは許されると解されます。他方、それ以外の場合における所持品検査は、一定の場合に許されると解されています。

 

・職務質問に関する判例はこちら

・所持品検査に関する判例はこちら! 

 

 

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