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捜査と捜査の端緒とは?わかりやすく解説!

Last Updated on 2020年10月16日

捜査とは、捜査機関が行う公訴のための活動を言います。そして、捜査の端緒とは、捜査機関が捜査を始めるきっかけを言います。警察や検察等の捜査機関は、何のきっかけも無しに犯罪の捜査を行うわけではありません。何らかのきっかけがあって、犯罪が発生したとの疑いを持ち、捜査が始まるのです。ここでは、法律で規定されている捜査の端緒について説明します。 

1.捜査の端緒 

 刑事手続きは捜査に始まります。捜査は、犯罪があると思料した時に開始されます(刑訴189条2項)。 

 

刑事訴訟法189条2項 :「 司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するものとする」

 

捜査は事件が発生したことを前提にしています。もっとも、先述のように、捜査機関は、何もせずに事件が起きたことを知るわけではありません。この事件を知るきっかけとなるものが捜査の端緒です。捜査の端緒は数多くありますが、ここでは、刑事訴訟法に手続きが規定されている4つを紹介します。 

(1)告訴・告発 

 告訴とは、犯罪被害者とその他一定の人物(231条等)が、捜査機関に対して犯罪事実を申告し、犯人の訴追ないし処罰を求める意思表示を言います。 

 

犯罪の中には親告罪と呼ばれるものがあります。これは、告訴権者の告訴がない限り、検察官は公訴を提起できない犯罪です(名誉毀損罪等)。告訴権者以外がする犯罪事実の申告を告発と言います。

 

他方で、皆さんがよく聞くであろう被害届とは、犯罪被害者による被害の届出を言います。告訴・告発と異なり、刑事訴訟法で規定されているものではなく、また、犯人の訴追を求めるものでなく、単に犯罪の被害を受けた旨の申告にとどまります。 

(2)自首 

 自首とは、犯罪事実または犯人が誰であるか発覚する前に、犯人が自ら捜査機関に自己の犯罪事実を申告し、その処罰に自己の身をゆだねること言います。 

 

 自首をした者は、刑罰面で有利に扱われることがあります(刑法42条1項)。 

 

刑法42条1項 :「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。」 

 

(3)検視 

 検視とは、変死者または変死の疑いのある死体がある場合に、その死亡が犯罪によるものか否かを判別することをいいます(刑訴229条1項)。 

 

 検視は検察官が行いますが、検察事務官又は司法警察員に検視をさせることができます(刑訴229条2項)。 

 

・刑事訴訟法229条1項 :「変死者又は変死の疑のある死体があるときは、その所在地を管轄する地方検察庁又は区検察庁の検察官は、検視をしなければならない。」 

・同条2項 :「検察官は、検察事務官又は司法警察員に前項の処分をさせることができる。」

 

(4)職務質問 

 職務質問とは、警察官が、犯罪を犯した者、若しくは犯そうとしている者等を停止させて行う質問を言います(警職法2条1項)。 

 

警察官職務執行法2条1項 :「警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を停止させて質問することができる。」

 

刑事訴訟法上、職務質問は多くの論点があります。そのため、別記事で詳しく説明します。 (職務質問と所持品検査についてわかりやすく解説!)

 

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