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国会議員の免責特権とは?国会議員の発言に対する責任

 最近、国会議員の不逮捕特権が話題になっています。不逮捕特権は、憲法上保障された国会議員の権利です。もっとも、国会議員の憲法上の特権は、不逮捕特権の他に免責特権というものがあります。ここでは、免責特権について説明します。 

1.国会議員の免責特権とは 

 憲法51条は、「両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問われない。」としています。これを国会議員の免責特権と言います。 

 国会議員の免責特権はなぜ認められるのでしょうか?免責特権の趣旨は、議員の自由な発言を保障し、国政に関する様々な議論を妨げないようにするためです。国会議員としての議論の場においては、時に厳しい言葉を発する場合があります。このような場合に、国会議員が常に法的責任を問われるおそれがあると、自由な発言ができず、そのため活発な議論ができません。そのため、国会議員の自由な発言を、一般の方々以上に保障することにしたのです。もっとも、以下で述べるように、国会議員の職務と関係のないヤジや暴力・恐喝等には、免責特権は及びません。 

(1)免責特権の及ぶ範囲 

 免責特権は、国会議員に及びます。憲法上は、国会議員のみが対象になっていますが、この免責特権が①国務大臣②地方議会議員にも及ばないかが問題とされています。 

 ①憲法上、国務大臣は国会議員以外からも選ばれることができます(憲法68条)。国務大臣は、内閣に一員として、国政について発言する機会が多く存在します。そのため、国会議員でない国務大臣にも、免責特権を与えるべきでないかという問題です。 

これについては、肯定説(国務大臣はいつでも議案について発言するために議員に出席することができる(憲法63条)を根拠)、否定説(免責特権は議院自律権を基礎とし国会議員の職務を保障するものであることを根拠)があります。 

 ②については、判例があります。最高裁は、「憲法上、国権の最高機関たる国会について、広範な議院自律権を認め、ことに、議員の発言について、憲法51条に、いわゆる免責特権を与えているからといって、その理をそのまま直ちに地方議会にあてはめ、地方議会についても、…いわゆる免責特権を憲法上保障しているものと解すべき根拠はない。」としています(最高裁昭和42年5月24日大法廷判決)。 

(2)免責の対象となる行為 

 免責の対象は、議院で行った行為です。 

ヤジや私語、暴力は議員の職務行為とは言えないので、免責特権の対象にならないと解されています。 

(3)責任を問われないとは 

 責任を問われないとは、法的責任を追及されないことを意味します。具体的には、国会議員としての発言は、刑法上の名誉棄損罪や侮辱罪、民事訴訟における不法行為責任などを指します。免責される責任は法的なものに限られ、政治的責任には及ばず、また政党内部の規則違反による制裁などは発生しえます。 

(4)国会議員のその他の特権 

 国会議員の特権として、免責特権のほかに不逮捕特権があります。 詳しくはこちらの記事に記載しています

憲法50条は、「両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。」としています。これにより、国会議員に対する逮捕が制限されます。 

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