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[解説] 即位の礼・大嘗祭参列の合憲性②(政教分離の原則):最高裁平成14年7月11日第一小法廷判決 

 

Point 

1.政教分離原則は信教の自由を間接的に保障するための制度的保障である  

2.政教分離原則は、宗教とのかかわりあいをもたらす行為の目的及び効果に鑑みて、その関わり合いが日本の社会的・文化的諸条件に照らして相当とされる限度を超える場合にはこれを許さないとするものと解釈するべきである  

3.2を超えるか否かについて、行為の目的が宗教的意義をもち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるか否かを判断するという基準(目的効果基準)を用い、本件は憲法上の政教分離原則に違反しない、とした。 

①はこちら

 

そこで、本件について以下のことを指摘し、本件行為は日本国の象徴である天皇に社会的儀礼を尽くすものであり,その効果も,特定の宗教に対する援助,助長,促進又は圧迫,干渉等になるようなものではないとします。 

①鹿児島県知事Yが大嘗祭に参列した事実は、大嘗祭の性質(神道の儀式である等)から見て、宗教とかかわり合いを持つものである 

②しかし、大嘗祭は7世紀以降、皇室継承皇位継承の際に通常行われてきた皇室の重要な伝統儀式である 

③Yは各地方公共団体の代表等と共に儀式に参列して拝礼したにとどまる 

④Yは公職にある者の社会的儀礼として日本国及び日本国民統合の象徴である天皇の即位に祝意を表する目的で行われ、社会的儀礼を尽くすものである

 

「…大嘗祭は,天皇が皇祖及び天神地祇に対して安寧と五穀豊穣等を感謝するとともに国家や国民のために安寧と五穀豊穣等を祈念する儀式であり,神道施設が設置された大嘗宮において,神道の儀式にのっとり行われたというのであるから,鹿児島県知事である被上告人がこれに参列し拝礼した行為は,宗教とかかわり合いを持つものである。しかしながら,…(1) 大嘗祭は,7世紀以降,一時中断された時期はあるものの,皇位継承の際に通常行われてきた皇室の重要な伝統儀式である,(2) 被上告人は,宮内庁から案内を受け,三権の長,国務大臣,各地方公共団体の代表等と共に大嘗祭の一部を構成する悠紀殿供饌の儀に参列して拝礼したにとどまる,(3) 大嘗祭への被上告人の参列は,地方公共団体の長という公職にある者の社会的儀礼として,天皇の即位に伴う皇室の伝統儀式に際し,日本国及び日本国民統合の象徴である天皇の即位に祝意を表する目的で行われたものであるというのである。…これらの諸点にかんがみると,被上告人の大嘗祭への参列の目的は,天皇の即位に伴う皇室の伝統儀式に際し,日本国及び日本国民統合の象徴である天皇に対する社会的儀礼を尽くすものであり,その効果も,特定の宗教に対する援助,助長,促進又は圧迫,干渉等になるようなものではないと認められる。」  

 

従って、Yの行為は、宗教とのかかわり合いの程度が我が国の社会的,文化的諸条件に照らし,信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えるものとは認められず,憲法上の政教分離原則及びそれに基づく政教分離規定に違反するものではないと結論づけました。 

 

「したがって,被上告人の大嘗祭への参列は,宗教とのかかわり合いの程度が我が国の社会的,文化的諸条件に照らし,信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えるものとは認められず,憲法上の政教分離原則及びそれに基づく政教分離規定に違反するものではないと解するのが相当である」 

 

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