決闘罪に関する件とは

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 決闘罪は、明治22年法律第34号(決闘罪に関する件)において定められた犯罪です。同法は、現在でも効力を有しており、実際、近年においても同法違反で処罰された例も存在します。

 

 決闘罪は、決闘を申し込んだ場合又は決闘に応じた場合(1条)、及び、実際に決闘をした場合(2条)に成立します。

 

・1条 「決闘ヲ挑ミタル者又ハ其挑ニ応シタル者ハ六月以上二年以下ノ重禁錮ニ処シ十円以上百円以下ノ罰金ヲ附加ス」
・2条 「決闘ヲ行ヒタル者ハ二年以上五年以下ノ重禁錮ニ処シ二十円以上二百円以下ノ罰金ヲ附加ス」

 

 決闘とは、「当事者間の合意により相互に身体又は生命を害すべき暴行をもつて争闘する行為」をいいます(最判昭和25年5月16日LEX/DB25340543)。

 

 1条の罪は、相手方に意思表示が到達することで成立します(福岡高判昭和29年7月8日LEX/DB27941141)。

 

 決闘をして、相手を殺したり、けがを負わせた場合には、同罪に加え、刑法上の殺人罪及び傷害罪が成立します(3条。最判昭和23年3月16日LEX/DB24000087)。

 

・3条 「決闘ニ依テ人ヲ殺傷シタル者ハ刑法ノ各本条ニ照シテ処断ス」

 

 殺意をもって決闘をしたが、殺傷の結果が生じなかった場合も、決闘罪と殺人未遂罪の良材が成立すると考えられています(東京地八王子支判平成6年12月26日LEX/DB28019416)。

 

 なお、決闘をした者だけでなく、その場で立会をした者や、場所を提供した者も処罰されます。

 

・4条1項 「決闘ノ立会ヲ為シ又ハ立会ヲ為スコトヲ約シタル者ハ証人介添人等何等ノ名義ヲ以テスルニ拘ラス一月以上一年以下ノ重禁錮ニ処シ五円以上五十円以下ノ罰金ヲ附加ス
・4条2項 「情ヲ知テ決闘ノ場所ヲ貸与シ又ハ供用セシメタル者ハ罰前項ニ同シ」

 

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