権利能力とは、権利を獲得したり義務を負ったりすることのできる資格のことをいいます。
例えば、本屋で本を買おうとしたとします。この場合、買主と本屋との間に売買契約が成立します。売買契約が成立すると、買主には代金を支払う義務が、本屋には本を引き渡す義務が生じます。権利能力とは、この権利・義務が帰属する資格のことを言うのです。
人は皆権利能力があります。権利能力は、出生と共に獲得します(民3条1項)。当然ですが、外国人にも権利能力は認められます(民3条2項)。また、法人にも権利能力が認められます(民34条)。
・民法3条1項 「私権の享有は、出生に始まる。」
・同条2項 「外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。」
・民法34条 「法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。」
お腹の中にいる胎児には権利能力が認められないのが原則です。もっとも、例外的な場合に、胎児にも権利能力が認められます。例えば、胎児の間に相続が開始した場合には、胎児に権利能力が認められ、相続人となります(民886条)。
・民法886条1項 「胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。」
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