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【判例解説】賄賂罪の保護法益-ロッキード事件(刑法各論):最大判平成7年2月22日 

Last Updated on 2022年8月13日

 

Point 
1.賄賂罪は、公務員の職務の公正とこれに対する社会一般の信頼を保護法益とする 

 

 

【争点】 

 ・賄賂罪の保護法益

  

1.判旨と解説 

 

*賄賂罪の解説はこちら 

 

本件では、内閣総理大臣が運輸大臣に対し特定の航空機の購入を働きかける行為が、内閣総理大臣の職務権限に含まれるか等が争われました。 

 

賄賂罪の保護法益については、職務の公正を保護法益とする見解(純粋性説)と、職務の公正とこれに対する社会の信頼を保護法益とする見解(信頼保護説)が対立しています 

 

最高裁は、賄賂罪の保護法益を、職務の公正とこれに対する社会一般の信頼としましたそして、職務行為は、一般的職務権限に属する行為であれば足りるとし、上記行為が総理大臣の職務権限に含まれるとしました。 

 

賄賂罪は、公務員の職務の公正とこれに対する社会一般の信頼を保護法益とするものであるから、賄賂と対価関係に立つ行為は、法令上公務員の一般的職務権限に属する行為であれば足り、公務員が具体的事情の下においてその行為を適法に行うことができたかどうかは、問うところではない。けだし、公務員が右のような行為の対価として金品を収受することは、それ自体、職務の公正に対する社会一般の信頼を害するからである。 

 

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